平将門を祖とする相馬家は、千有余年前、今の千葉県北西部において、軍事力として馬を活用することを考え、馬を放牧し、馬を敵に見立てて馬を追い捕える訓練をして、捕えた馬を妙見神社に奉じ、祭礼としたのが始まりだと言われています。その後相馬藩は現在の地に移りましたが、その行事は途絶えることなく、明治以降は藩の行事ではなく、神社の行事として受け継がれて現在に至っています。
土曜日の出陣式、日曜日のお行列、甲冑競馬、神旗争奪戦、そして月曜日には小高神社にて野馬懸(のまがけ)
が行われます。野馬懸は、野馬を捕えて神社に奉納するという神事で、小高神社にとっては最も重要な祭事です。
この馬を神社に奉納するという儀式が、簡略されて全国の神社に広まったのが、今の絵馬なのです。つまり野馬懸が絵馬の発祥の起源です。それが相馬野馬追祭が、国の重要無形文化財に指定されている所以の一つなのです。(九)