先日、武道館でコンサートをした加山雄三が、ビートルズに続いて、日本人で初めて武道館でアンプを鳴らしてコンサートをしたのは自分だと話していたそうですが、それは間違い。加山さんは知らないのでしょうが、日本人で武道館での最初の公演は1966年11月27日のMRAのLet's Go '66の公演です。
勿論厳密に言うと、日本人で音を鳴らした人は他にもいます。ビートルズ公演で前座を勤めたブルー・コメッツやドリフターズなどですが、彼らは単独でのコンサートでないので、除外します。
MRAとはMoral Re-Armament という国際的な団体で、国際的相互理解のための活動として、当時アメリカで始まった Sing Out 活動を日本に持ち込み、このような若者の音楽グループを結成し、日本各地のみならず、海外でも公演活動をしていました。
当時私(九代目)はこのグループのミュージカル・ディレクターのような立場でこの活動に参加していて、その関係が未だに続き、先日の相馬野馬追支援活動につながっています。
このときの武道館での公演には、フィリッピンなど海外の人たちも含めて、総勢500人のキャストが出演しました。
上の写真は2008年に開かれた Let's Go'66+42 と言ういわば同窓会で配布された武道館のDVDのジャケット写真で、当時のカラー写真は珍しいです。写真の右上にいるのは、後にプロになるグループ・サウンズのビレッジ・シンガーズです。
下の写真は、1967年に作成した我々の曲集の表紙の写真で、左下でピアノを弾いているのが私です。
司会はまだ新進の若手だった関口宏。マイク真木がゲスト出演しました。
来賓では常陸宮ご夫妻もいらっしゃいました。
当日の模様はNHKで録画放映され、レコードの実況版が日本コロムビアから発売されました。
この活動は1965-1969くらいまで続きましたが、その後日本では休止になりました。
本場アメリカでは、Up With People と言う名前で、今も活動が続いています。(九)